『消えたキス』

不意に触れた熱。
一瞬で消えた。

「だってオレまりも好きだしー」

まじか。

「嘘をつくな」
「嘘じゃねぇもーん」
「信じられっかよ」

しまった、出だしをまちげぇた。

本気だな?
こう聞けば、流れは違った筈。

触れた熱は消えたが。
誤魔化せねぇだろ?
血の色は。
目尻の朱いのが消えねぇうちに。

次は俺からだ。

 

side*ゾロ

 

2016.9.14

 

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お送りくださるコメントがいつも作品のように素敵なべるき*様から、 140字お題の拙作『消えたキス』のゾロサイドとして頂戴しました。ゾロサイドといいながらも、拙作の朴念仁なゾロ違って、べるき*様のゾロはとても敏くて、自らは言いだせない意地っ張りなサンジさんのこともよーく分かっていて、自分から手を差し伸べる度量のあるいい男で、このゾロだったら遠回りせず真っ直ぐにサンジさんが幸せになれると思います。拙宅のゾロは、べるき*様ゾロの爪の垢を煎じて飲むがいい。べるき*様の書かれるゾロサンはいつも真っ直ぐ相手を思いやり、それを正面から受け止めるとても幸せなゾロサンで大好きです。べるき*様ありがとうございました!