拙宅を覗いて下さってまことにありがとうございます。
現在、日本ではない国で生活しているので、この国の人達にとってワタクシは外国人ということになります。外国の人間。異国人。それで思い出したのは童謡『赤い靴』。赤い靴の女の子が遠く外国へ行ってしまう物悲しい歌があるじゃないですか。この歌を聞いた幼少の頃のワタクシは『異人さんに連れられて行っちゃった』の歌詞の意味がよく分からなくて。幼かったので「いじん」という単語を知らなかったんですね。いじんってなんだろう?と思いつつ、物悲しいを通り越して恐ろし気ともいえるメロディに怯えてしまい、口に出すのも怖くて周囲のオトナに尋ねることさえ出来なかった当時のワタクシ。かわいいな。で、そんな疑問はいつの間にか忘れていたのですが、小学校の一年生か二年生の頃かな、学校の図書室で一冊の本を読んだんですよ。リンカーンやエジソンやシュバイツァーなど、功績のあった人物の生涯が一冊にまとめられた伝記でタイトルは『い人の話』。「い」が平仮名で「人」が漢字だったのは学習要綱に合わせたせいだと思うのですが、それはともかく。見た瞬間に「あっ!赤い靴のいじんさんってコレかー!!」って思ったんですよ。いじんイコール偉い人。そっかあ、あの歌は偉い人に連れられて外国へ行っちゃった女の子の歌だったんだ、なるほどーって。もっとも、偉人に連れていかれたのなら喜ばしいよね?もっと華々しく堂々としたメロディの方が似合うはずなのに、どうしてこんなおどろおどろしい旋律なのかな?とかすっきりしない気持ちも残っていたのですが、とりあえず謎は解けた状態なのでそのまま忘れていて。でもある日、何かの折に「『赤い靴』のいじんって何?」と大人に聞く機会があったんですよ。そしたら「『いじんさん』は外人ってことだよ」という答えが返ってくるじゃないですか。え?!が、ガイジン?!(現代においてガイジンは差別用語であるゆえ、外国の人を指す場合は外国人を使いなさいと言われておりますが、当時は外人という単語は普通に使われておりましたね……)。いじんって偉人じゃなくて外人なの?ってことは、私の耳には『いーじんさんにつーれられーていーっちゃーった』と聞こえるけど、実は『がいじんさんにつーれられーていーっちゃーったー』って歌われてるってことか?!私の聞き取りが悪かったってこと?!と衝撃を受けまして。家にある童謡のレコード(古いよ!)を聞いてみたけれど、どうやっても「いじんさん」としか聞こえなくて謎が深まったという……。正解になかなかたどりつけず、いじん問題の解決には長い時間を要したのでした。
