更新『lemon』

投稿者: | 2019年9月2日

拙宅を訪れてくださってありがとうございます。
台湾の街はドリンクショップが多いというお話は既に何度か当memoでもお伝えしたかと思います。そして当地の檸檬事情についても8月11日memoでちらっと言及したかと。南国なので檸檬生産もそれなりにあるみたいで、日本とは檸檬の扱いが違う。なんていえばいいのか「たくさんあるから惜しげなく使っちゃえ」的な。ちなみにこっちの檸檬は緑色で、両端のでっぱりも少な目、果実の大きさも日本より一回り大きく、そして酸味がきつくないです。でね。ワタクシの住んでいる街には檸檬汁のみを扱うドリンクショップがあるんですよ。台湾のドリンクショップといえばメニュー数の多さが特徴ですが、それに真っ向から異を唱える飲料店。商品は金桔檸檬汁一択、選べるのはサイズのみという潔さ。サイズ展開はカップの大中小と、瓶の大小。買う時に店員さんに「中杯1個ね」とか「大瓶3本」のようにサイズと個数だけ伝えます。ちなみに金桔檸檬はキンカンレモンのことで、こちらはキンカンとレモンのミックスジュースが一般的。レモンだけ、キンカンだけのジュースってあまり見かけません。ワタクシも一杯買いましたが、甘さと爽やかさのバランスがほどよくてごくごく飲めます。暑いときにはミルクティよりも断然こっちですね。体にしみるー!お店は大量の檸檬が置いてあって、店先は良い香りがします。……という檸檬汁のお店のことをツイッタでつぶやいてみたところ、「買い出しの途中でふと立ち寄ってレモンジュースを飲むゾサ」というコメントをいただいたので、一発殴り書き。未満のゾサでもいいし、出来ているゾサでもいいと思うんですよね。超短文で素っ気ないですが、畳んだ先においておきます。近々に海賊短編部屋に収納します。

***


上陸した島はレモンが特産品だという。島の汀線ぎりぎりまで山が迫り、切り立った断崖に貼りつくように濃い緑の葉を揺らすレモンの木々が植わっている。

「ついて来い」

 サンジに言われ、買い出しの荷物持ちとして同行するゾロは、活気ある市場の店から店へと歩き回る黒スーツの後ろ姿を目印に後を追った。乾燥した空気。じりじりとした日差し。
 目の前にいるサンジの首筋を汗がすーっと流れ落ちる。
 湿った金髪が何筋かうなじにへばりついている。
 暑そうだ。

 ふと鼻先をかすめる爽やかな香気に、振り返って見ればレモンジュースの屋台。ゾロが船でトレーニングしている最中に「差し入れだ」とサンジが持ってくる飲み物と同じ香りで、つい。
「一杯くれ」

 

「てめェ、ちゃんと後ついて来いよ!どこか行っちまったかと思うだろ!」血相変えて探しに来たサンジに「差し入れだ」と差し出す一杯のフレッシュレモンジュース。

end

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