あとがき。

『空に知られぬ雪』をご覧いただきありがとうございます。

ふだん、あとがきは書きませんが、本作については補足を兼ねて少々追記を。

本作、裏タイトルが『コメの名は』となります。
というのも、ゾロの好物は白米である云々とゾサ友さまとお話をしたことが創作のきっかけだからなのです。それからお米の名前を調べたところ非常に多種多様の品種名があることに気付き、お!これで一作!と思い、まずはツイッタの140字で書いてみたんですよね。コレです。↓

 

船で初めて米の飯が出た。
「お待ちかねのメシだぜ」
「いただきます」心待ちにしていた茶碗てんこ盛りの炊き立ての白米。

絶妙な炊き加減がおれの好みどんぴしゃりで夢心地だ。
「美味ェ」思わずこぼれた言葉に返ってきた日の光よりきらりんと光る笑顔に、胸のど真ん中、撃ち抜かれて一目ぼれ。

 

コレ、お米の銘柄を11個入れているんですよ。ロロノアだけに11個!ちなみに銘柄は次の通り。
おまちかね、いただき、こころまち、てんこもり、たきたて、どんぴしゃり、夢ごこち、日の光、きらりん、どまんなか、ひとめぼれ。

我ながらアホみたいだと思うのですが、言葉遊びを織り交ぜて創作するのが趣味みたいなものなので、つい。
で、こういう試みを面白いと仰って応援してくださったゾサ友さまが北海道にお住まいだったことから、もういっちょ書いてみるか、よし今度は北海道のお米の名前だけを使おうと思って書いたのが『空に知られぬ雪』です。

文章中に隠したお米(うるち米)の品種名は次の通りです。
あやひめ、おぼろづき、きたくりん、そらゆき、ななつぼし、ほしのゆめ、ほしまる、ゆきひかり、ゆめぴりか(あいうえお順/計9種)。

このほかにも「きらら397」「大地の星」「ふっくりんこ」があり、入れたかったのですが、私の能力不足ゆえかないませんでした。

ほんと我ながらバカなの、なんでこんなことしちゃうのって思うんですけど、パズルのように言葉を探してあてはめるのがきっと好きなんだと思います。

 

ちなみに、作中に出てきた鰯はいわゆる「マイワシ」でして、現実世界においては東アジア沿岸部に分布しているニシン科の魚です。英語名はJapanese Sardinですから、東アジアの中でもとりわけ日本近海を大群を作って回遊している魚となります。かつては日本の漁獲量の半分を占めたほどの大衆魚で「海の米」とも呼ばれた魚ですが、近年は漁獲高が減り、高級魚なみに値段が高騰しつつあるとか。この鰯を「ななつぼし」と呼ぶ地方は日本各地にあるようですが、東北が多いと聞いています。私が育った土地では、鰯は鰯でしたので、「ななつぼし」の呼称をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひともお話を聞かせてください。
ところで。鰯は大変傷み易く、水揚げ後はすぐに生臭くなってしまうので、よほど鮮度が高くないと刺身や塩焼きで食べられません。サンジさんが作った「鰯のピリ辛煮」は、一般のお店で入手可能なレベルの鰯で十分美味しくいただけますので、お料理に興味のある方は「鰯のピリ辛煮」でレシピをググって作ってみてくださいね。

長々と失礼しました。

koma